先日、技術を学ぶためにセミナーへ参加してきました。
そこで、改めて考えさせられる出来事がありました。
恥ずかしながら、僕は昔の格闘技や無理なトレーニングの影響もあり、腰痛持ちです。
今回のセミナーでは、腰痛のモデルとして施術を受けることになりました。
施術が終わったあと、正直に言えば、痛みはほとんど変わっていませんでした。
ところが、先生から、
「痛み、ほとんど取れたでしょ?」
と、何度か聞かれました。
その場には、ほかにも受講者がいました。
先生としては、受講者の前で施術の結果を示したかったのかもしれません。
その場の雰囲気もあり、僕は圧に負けて「5割くらいです」と答えてしまいました。
でも、本当はそこまで変化を感じていませんでした。
今振り返っても、あのとき自分の感覚を正直に伝えられなかったことには、複雑な思いがあります。
そして、もう一つ考えたことがあります。
この人は、何を守るために技術を教えているのだろう。
技術を学ぶこと自体は大切です。僕自身、少しでも患者様の力になれるように、今も学び続けています。
だからこそ、技術を教える側には、困っている人を救える知識や技術を持った施術者を増やしたいという思いがあってほしい。
もちろん、セミナーを開催するにもお金がかかります。生活するためにお金が必要なのも当然です。
お金をいただくこと自体が悪いとは思いません。
ただ、目の前の患者さんが本当に変化を感じているのか。それよりも、施術の結果が出たように見せることを優先してしまったら、本末転倒ではないでしょうか。
この出来事があってから、僕はその先生の話を素直に聞けなくなってしまいました。
もちろん、一度の出来事だけで、その人のすべてがわかるわけではありません。
それでも、自分にとっては、誰から学ぶのかを考え直すきっかけになりました。
自分はどうありたいのか。
僕は、患者様に対しても同じことをしてはいけないと思っています。
施術後に変化がなければ、変化がなかったと受け止める。
思ったような結果が出なければ、なぜ変化が出なかったのかを考える。
原因がわからなければ、わからないと伝える。
自分では対応が難しいと判断したら、医療機関への受診をすすめる。
簡単なことのようですが、自分の技術や判断が正しいと思い込んでしまえば、こうした当たり前のことさえ見失ってしまうのかもしれません。
患者さんは、施術者の技術を評価するために来院しているわけではありません。
自分の身体の不調に困り、少しでも良くなりたいと思って来てくださっています。
だからこそ、施術者側の期待に合わせて、患者さんに「良くなった」と言わせるようなことがあってはいけない。
患者さんが感じた変化こそ、きちんと向き合うべきものだと思います。
僕もまだまだ勉強中です。
自分の知識や技術が十分だとは思っていません。
ただ、どれだけ技術を学んでも、目の前の人の声を聞けなくなってしまったら意味がない。
技術を磨くことと同じくらい、誠実であることを大切にしたい。
今回のセミナーは、技術だけでなく、自分がどんな施術者でありたいのかを考える一日になりました。
これからも、患者様の身体と真剣に向き合い、良いことも、難しいことも、嘘偽りなく伝えられる整体師でありたいと思います。
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